それはとても、深い青色だったと思う。
すごく曖昧だけど、鮮明に色のついた思い出。
あの頃ぼくらは、この街にいることに深い意味を見出していた。
下北沢は今日も、布とノイズとスパイスの香りまみれだ。
ぼくはそんな街で意味ありげな生活を送っていた。
たくさんの漫画とレコードは埃をかぶり、古紙のかおりが漂う。
見もしないテレビ、ゆがんだソファ。
実家の母から送られてくる現実感しかない食料と日用品。
部屋の片隅にはいつかの女の子が忘れていったピアス(確か、下北のスリーで知り合った子だったっけ)
いつも真っ黒なワンピースで、感情のみえない子、
僕は彼女の名前すら知らなかった(教えてくれなかった)
彼女といると、自分が特別な人間になったような錯覚に陥る。
僕の存在が、とても意味深いものになった気がしていた。
そんな僕の、濃くて淡いブルーな思い出。
注意点
・経年による劣化が目立ちます。
・キッチンスペース梁の圧迫感。背の高い人は頭をぶつけてしまうかも。
・三点ユニットバス。L字でトイレは奥まっています。