いつも見守るように微笑んでくれる君のような
雨が降る朝はちょっとだけ憂鬱な気持ちになる。
肌にまとわりつくじめっとした空気、
足元を湿らせる飛水、
どんよりとした灰色の空模様。
学校にいくにも、会社にいくにも、出かけるにも
なんとなく二の足を踏んでしまうそんな日がどうしても苦手だった。
千駄ヶ谷駅から徒歩6分。
この街に、この場所に引っ越してから、実はそんな雨の日が好きになった。
ちょっぴりレトロで、昔ながらのマンションの一室は、
綺麗にリノベーションが施されていて、清潔感のある水周りが嬉しい。
階段で登るのは大変だけれども、4Fの眺めと日当たりはやっぱりいいから、この部屋にしてよかったなって思える。
寝室とリビングとして使う洋室が分かれている間取りは、親しい友人も呼びやすい。
何より、屋上の気持ち良さが気に入ってしまった。
晴れた日は真っ白なシーツを青空のしたで天日干しにすると、お日様に匂い残ったシーツでぐっすりと眠れることができる。
そして雨の続く6月は、建物入り口にひっそりと咲く紫陽花が可愛らしい。
憂鬱な雨の日も、そんな些細な幸せを見つけて喜んでしまえる日に変えてしまうから、
また来年のこの季節を楽しみにしてしまう私がいた。
〈備考/注意点〉
・エレベーターなし