写真と文章は2階の別部屋反転間取りのものです
いつだって君は、誰よりも僕を驚かせる。そんな君が大好きなんだ。
「えっ、別に良くない?!だって、こんなにも可愛いキッチンあるし!」
優柔不断な僕をよそに、彼女は部屋を一通り見ると、
不動産屋の方に「ここにします。」と伝えていた。
「うーん、でも脱衣所無いけど、、大丈夫?」
「え、だって今までも脱衣所ない家に住んでたじゃん?」
「いや、そりゃお互い一人暮らしだったから、確かに脱衣所は無い家だったけど…。」
「生活の時間帯違うし、たっくん深夜に帰ってくるんだから
そんなに困らなくない?帰ってくる前に私お風呂入っちゃってるし。」
「まぁ、それもそうか。。」
僕より4歳年上の彼女と付き合い始めて一年半。
どこへ行くにも、何をするにも、決めるのはいつも彼女。
イメージ通り、怒らせるとかなり恐いが、
見た目とは裏腹に(本人には口が裂けても言えない)料理が得意で家庭的だったりする。
そんな彼女となら、同棲も悪くないかな?と思い、一緒に暮らすことを決めた。
決断力のある彼女は、住む家もやっぱり即決だった。さすがだ。。
ー 半年後 ー
この家に住み始めて半年。日当たりも風通しもよく、快適に過ごしている。
「やっぱりキッチンが可愛いとテンション上がるねー!」と
彼女は以前にも増して料理をたくさん作ってくれるようになった。
当初気になっていた脱衣所無しという間取りも彼女が言った通り
生活時間帯が違う僕たちにとって、そこまで困ることではなかった。
一応、お風呂の前にカーテンが付けられるようになっていたので
彼女がリネンの布でカーテンを作って付けてくれた。本当に器用だなぁ。
広さ的にダイニングテーブルは置けなかったけれど、
週に一回、リビングのソファーで一緒にご飯を食べる時間をとても幸せに感じている。
これは後から知った話だが、、
彼女は生活時間帯が違う僕と、心まですれ違わないように、あえてこの家を選んだそうだ。
本当に、君には敵わないよ。
※この物語はフィクションです。