R-STOREの
間違いだらけの住宅えらび

vol.5 デザイナーズ

デザイナーズって何?

そもそも「デザイナーズ住宅=Designed House」なわけです。デザインされた住宅です。では、デザインされた住宅って何なんだろう?ここで少し例をご紹介したいと思います。(※1)

これは2000年代初頭にイデーアールプロジェクト社が手がけたASITIS芝という賃貸住宅です。ガラス張りのバスルームが部屋の中央に鎮座しています。ここで「ああ、お決まりのね。」と思わないでください。このようにデザインされた理由が大切なんです。答えから先に言えば、これはお風呂に入りながら映画を楽しむための部屋なんですね。(※2)

忙しい現代人にとって、映画をきちんと見る時間を確保するのは至難の業。それにお風呂もゆっくり入りたい。別々なら3時間。でも一緒にやれば2時間です。忙しい人がリラックスできる時間を持てるようにしよう。そんなストーリーがあるんです。「でも、そんな生活をする人は少ないだろう?」、「そんなに映画が好きではないし」と疑問を持つかもしれません。その通りです。これはそういうライフスタイルを送りたい人のためにデザインされた住宅ですから。逆に言えばデザイナーはガラス張りの風呂をデザインしているわけではないんです。「風呂に入りながら映画を見る」という「ライフスタイル」や「行為」をデザインしてるんですね。ここが大事です。ですから本質的に言えば「デザイナーズ」が広く一般的に受け入れられるわけが無いんです。飽くまでも非常に私的なものだと思うんですね。

もう一つ、これは<R-ROOMS浅草橋>という住宅です。こちらは広い玄関というか土間があり、そこに自転車がおいてあります。もう何を言わんとしているのかおわかりでしょう?(※3)

行為や暮らしやライフスタイルをデザインするのがデザイナー

そう、R-STOREが考えるデザインというのは、見栄えのする仕上げで表層を飾ることではないのです。そのデザインによって実現されるライフスタイルや行為は何なのか?それこそがデザインであり、それをデザインできるのがデザイナーだと思っています。したがって、不動産開発業者が「デザイナーズ」という名の下に行っているものなんて、一見かっこよく見える素材の切り張りです。そこには、何のライフスタイルも行為も無い。何の意味もありません。

自分の生活を自分でデザインしてみる。

たとえばこんな住宅があります。(※4)
一見無愛想なベニヤ貼りの壁面があります。これはデザイナーズですか?とてもデザイナーがデザインしているようには見えないかもしれません。実はこの住宅は壁一面に自由に釘をうったり、塗装したりできます。「自分のライフスタイルを自分でデザインする」という行為をデザインしていると言う意味ではこれも立派に意図的にデザインされた住宅、つまり本来の意味でのデザイナーズと言って良いでしょう。

そしてこれを自分ならどう使うか考えて見ます。

大事なサーフボードを引っ掛けておくラックをつくるかもしれません。まだスペースに余裕があれば次はギター、それにジョギング用のスニーカーラックも必要かもしれない・・・。そうやって自分の生活をどう快適なものにするか考え始めること、自分がどう暮らしたいか考えること、それがデザインの始まりですし、それを楽しめるあなたはもう立派なデザイナーだと私は思います。